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2008年 10月 26日
SBS開局50周年記念番組「素晴らしき南アルプス」が先週放映された。
静岡放送開局50周年記念番組なんだ~と気合いを入れて期待して見たが内容は50周年記念番組にしては東京のローカルTV局が得意な芸能人温泉ひとり旅番組とあまり変わらない内容に思えて残念であった。 まず、南アルプスの登山口にある二軒小屋ロッジの紹介についてである。レポーターが豪華な施設や食事に「山小屋とは思えない!!」とさかんに絶賛していたが、ロッジと山小屋が混同されているように感じた。これでは視聴者が南アルプスの山小屋はみんなあのようにヒノキ風呂と水洗トイレと個室があると錯覚してしまうのではないか? 南アルプス南部の静岡県側は大部分が民間のT社の所有であり、T社の関連会社が運営する二軒小屋ロッジのPRはやってもらって結構だが、南アの稜線上のいわゆる「山小屋」は簡素な食事と雑魚寝状態があたりまえの世界である。しかし登山客にとってはなくてはならない、本当にありがたい存在であるというように「ロッジ」と「山小屋をはっきり分けて伝えてもらいたかった。 また登山道の途中に現れたニホンザルやニホンジカを見つけて手付かずの自然があることを強調されていたが現状はこの二種が南アルプスをはじめとする日本の高山帯で異常に増えているのが大問題となっているのは周知の事実ではないだろうか?彼らは3000mの稜線まで上がってきて高山植物を食べつくしてしまったり、ライチョウ等もともと生息していた動物たちを彼らの獲物としているのだ。「手付かず」どころかもう「手がつけられない」「手遅れ」の状態なのだ。南アの生態系や生物多様性が瀕死状態であることを伝えてもらいたかった。 間伐材の効果的な利用、水質浄化や砂浜の復活への取り組み等も報道されていたが水質浄化については浜松の猪鼻湖、砂浜の復活は相良海岸を取材しており番組のテーマの一つである南アの自然保護とは直接関係がないように思われた。そちらを取材するなら南アルプスを守るために多くのNPOが存在しボランティア活動が行なわれていることを紹介したほうが良かったのではないかと思う。 でも一番気になるのはレポーターのことである。(続く)
by coconchi
| 2008-10-26 06:09
| Nature
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